オシレーター系の基本と共同幻想

都会の幻想

トレンド系とオシレーター系

さて、移動平均線はテクニカルの中でもトレンド系と呼ばれる系統に属します。

トレンド系とは現在のトレンドが上昇なのか下落なのか、そしてそれはどの程度の勢いなのかを連続的な流れ(点をつないだ線)の中で分析する体系です。その具合によって買うか売るか持ち続けるかを決めるわけです。

これに対してテクニカルにはオシレーター系という分野もあります。オシレーター系とは最近のトレンドに関係なく、現時点で株価が買われすぎなのか売られすぎなのかを示すものです。

一般にトレンド系が中長期の傾向を探るものに対して、オシレーター系は短期の局面を探るのに適しています。

サイコロジカルライン

オシレーター系でもっとも簡単かつ基本なのがサイコロジカルラインです。たとえばコインの裏表が出る確率はそれぞれ50%ですが、11回連続して表が出たら次は裏が出ると思いませんか。

数学的には試行1回目も11回目も12回目もすべて確率は1/2に他ならないのですが、人間の心理としてはそろそろ裏が出るだろうと思うものです。これの投資版がサイコロジカルラインです。

サイコロジカルラインとは、12日間の中で株価が前日比で上昇した日数が偏ったときに判明するものです。もし12日間で上昇7回・下落5回なら7÷12=58.3%、上昇4回・下落8回なら4÷12=33.3%となります。一般に25%以下で売られすぎ、75%以上で買われすぎといわれています。

オシレーター系の基本と共同幻想

 

ギャンブルや投資は確率との闘いでもあるわけだ。

RSI

サイコロジカルラインに値幅の発想を組み込んだものがRSIです。オシレーター系には他にもいろいろなものがあるのですが、これは入門書な記事ですので具体的な指標としてはRSIを最後にしましょう。

RSIとは一定期間の株価の上昇幅と下落幅において、その割合から上昇する力と下落する力を示すものです。結論からいうとRSIは、中間を50として0から100の間で動き、80(70という説あり)を超えたら買われすぎ、20(30という説あり)を下回ったら売られすぎという指標です。

株式投資ではこれからの局面で上昇する力をもっている銘柄にはお金を投じる一方で、下落する力をもっている銘柄からはなるべく離れる方がよいので、RSIはその一助となるのです。

ネット証券や株式投資に関するウェブサイトにアクセスすると簡単に算出することができますので、ぜひ試してみてください。なおRSIは急騰や急落など相場が強すぎる動きを示すときはあまり役立ちませんのでご注意ください。

紙幣の共同幻想

テクニカルの最後に知っていただきたいのはテクニカルの共同幻想性です。共同幻想とは、皆が共有して抱く幻想のことです。共同幻想の典型は紙幣の性質にあります。

紙幣は人間がつくった紙切れにすぎないのになぜ価値があるのでしょうか。たとえば食べ物や衣服は人間がつくったものでありながら、人間を生き長らえさせる、人間の体温を調節するといった明確な効用があります。しかし、紙幣はそういった効用がありません。

このあたりを根本的にたどると、紙幣に価値があるのは皆が共同で紙幣には価値があると信じ込んでいるからとしかいえません。

消費者は紙幣に価値があると思っているからお店で紙幣を使うのであり、店員としてもそれを共有しているからこそ紙幣を受け取る代わりに商品を差し出すわけです。このように根拠に乏しそうなモノが皆の間で共有されている状態が共同幻想です。

こういう共同幻想がないと紙幣は成立しないので、学校や家庭でお金の価値を教えたり、政府は偽札をつくった人に重罰を科すのです。

オシレーター系の基本と共同幻想

 

根拠が薄いからこそ紙幣の価値は
混乱期には数十万分の一になったりする。
一方、金(ゴールド)の価値はかなり安定的。

テクニカル分析の共同幻想性

投資のテクニカルもそれと似たようなものかもしれません。というのも、株式チャートが特定のシグナルを見せた時に買うべき・売るべきというテクニカルは、企業の業績が変動していないのならファンダ派にとって不自然に見えるからです。

つまり、テクニカルに基づいて株価が上がるとすれば、それは多くの投資家が「〇〇シグナルが出たら買うべき」と教え込まれているから一緒になって買うことで上がるのであって、実体としての株価上昇(≒企業の価値上昇)とはいえないのではないかということです。

オシレーター系の基本と共同幻想

 

投資について考察すると
深い哲学的論点にぶち当たったりするよ。

この点、ファンダ派にとって企業の業績が伸びて、それとともに株価が上がるという構図は自然に見えるのです。業績が伸びれば財務は健全になりますし、さらなる成長への資金や株主への配当にまわすお金も得られるからです。

テクニカル分析の存在意義

しかし、ファンダがよい銘柄であっても株価の調子が悪い時期はありますし、逆にファンダが悪い銘柄でも株価の調子がよい時期はあります。どんな銘柄でも株価が波打つのは紛れもない現実です。そこにはテクニカル指標として人間の複雑な心理が現れます。

そこで一般論としてよくいわれるのは、ファンダメンタルズ分析はよさげな銘柄を選ぶことを主眼にしている一方で、テクニカルは売買のタイミングを見極めるためにあるというものです。これを知っているとファンダやテクニカルについて整理された使い方ができるのではないでしょうか。

また企業のファンダメンタルズに関する情報の入手は、このインターネット時代でも機関投資家の方がやや優位だといわれていますし、有力な機関はレポートや目標株価を通じて自ら情報の供給者にもなれます。

しかし、チャートはだれもがすぐに同じモノを表示させることができますから、テクニカルにおいては個人と機関の間に格差はないといえます。これは大きいでしょう。

テクニカル分析の注意点

テクニカル分析は買いシグナルと売りシグナルが同時に出ることもあるように万能ではありません。また、対象の銘柄の出来高があまりに少ないとテクニカル分析を行っても意味がありません。出来高があまりに少ない銘柄ではチャートはまともに形成されないからです。

投資に限らず社会では数人の人間が行動してもそこに法則は見出しづらいものです。しかし、多くの人間が特定の目標に向かって行動すると一定の法則性や集団心理みたいなモノが見えることがあります。皆が利益をめざす株式投資はその典型です。そのため、出来高がそれなりにあるということはテクニカル面でも意外と重要なのです。

また地合いが連続して悪いときに証券会社などのログイン先でテクニカルの売買シグナルを確認すると買いシグナルだらけになっている銘柄は少なくありません。要するに、売られすぎているから買いというわけですが、基本的にテクニカルは株価の動きから形成されるものであって地合いを考慮していません。そのため、地合いが連続的に悪いと、そこからさらに下げる場合もあるのでご注意ください。

テクニカル分析の概要がわかってきたところで次は実際に投資してみるときの流れについて見ていきましょう。

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