自由に動く価格と積極的にもちかけられる価格

そいつは危険人物かな

押し付ける価格

市場価格はさまざまな人間が影響しあって形成されます。株価はその典型で多くの人間がオークションのごとく参加して形成されます。

これとは対照的に、特定の人間が意図をもって相手に押し付ける価格もあります。

その典型が押し売りのときにもちかける価格です。早い話、業者が強引に売り込むということは、その売り込みコストに見合う以上の割高な商品を売りつけている可能性が疑われます。

自由に動く価格と積極的にもちかけられる価格

 

投資家はさまざまな価格に敏感になるべきかも。

上場株のように参入も退場も自由な体系下で多くの人間によって動く価格と、特定の業者から積極的にもちかけられる価格では、原理・思惑の面で明らかな違いがあるのです。

未公開株という上場していない会社の株式の販売勧誘が怪しかったり詐欺に使われたりするのも、未公開株は当事者間あるいは登録された証券会社でしか売買できないなど閉鎖的な条件下に置かれるからです。

未公開株に限らず中には非公開型の投資で大きな利益を得られる場合もあるようですが、そこまでうまい話は特別なコネがないとまわってこないでしょうし、非公開だと情報量に欠けるためプロでさえ投資判断に迷うでしょう。

詐欺の傾向

そもそも未公開株詐欺に限らず詐欺は大別すると、ウソによって相手を積極的にだますタイプと、真実を消極的に告げないタイプがあります。

たとえば、前者は「この投資は絶対に儲かる(←これは違法)」と偽って買わせること、後者は商品の注意点として説明すべきところを説明せずに買わせた場合があてはまります。

そうはいってもインターネットで「詐欺 手口」などと検索すると、割に合わない商品を儲かると偽って買わせた、認知症の人に無理やり買わせたなど、積極タイプの方が圧倒的に多くヒットします。

上場株は開放的

この点、たとえばスーパーマーケットのような開放的な体系下でラーメンを買う場合、消費者は競合的な水準に設定されている価格の商品群を前にして、同じ種類の商品や他店の商品と自分なりに比べます。こういう環境では詐欺は起きにくいです。

上場株は、他人から強引に買わされた場合などを除けば、こちらの体系に近いといえます。なぜなら、上場株の株価が動く様子と、上場企業による投資家情報と、大口の保有データは皆に公開されているからです。

自由に動く価格と積極的にもちかけられる価格

 

店頭証券では営業の電話や訪問があるけど
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詐欺は閉鎖的な環境で行われやすい

一方、自宅の電話や玄関先などにおいて営業マンと1対1という閉鎖的な環境下で売り込まれると、商品の価格が競争的になっていなかったり他商品との比較を怠ってしまいやすいため、詐欺にあう確率が高まります。

やはり詐欺との親和性は「積極タイプ」の方が高く、そこには第三者の意見を拒むような閉鎖的な環境が設定されやすいのです。

振り込め詐欺や架空請求詐欺にしても、引っかかる人は恥ずかしくて第三者に相談したくない、そしてなるべく内密にやり過ごしたいと思っていたりします。つまり、自ら詐欺に適した閉鎖的な環境をつくり上げてしまっている節があるのです。

自由に動く価格と積極的にもちかけられる価格

 

学術的には日本は恥の文化と呼ばれる。
羞恥心を悪い方に利用されないように注意して。

だまされても違法とは限らない

投資に関する「だまし」の中には、法的に詐欺と断定しにくく被害者が泣き寝入りするしかない場合も多くあります。典型的なのは甘い言葉で無知な個人投資家に近づいてきて、自分たちが保有している銘柄を買わせて株価が上がったところで自分たちは売り抜けていく業者です。こうした手口を嵌め込みといいます。

これがかならずしも詐欺と言い切れないのは、業者が「最終的には自己責任・自己判断で投資してください」といっておけば、業者側の責任を問いにくいからです。

なお積極タイプの売り込みであっても、すべての売り込みが怪しいということは決してありませんし、消費者にもそれなりの利益があればWin-Winでしょう。大体、業者の利益も認めなければ資本主義は成り立ちません。

価格の原理がわかってきたところで、次に証券取引所と証券会社について簡単に見ていきましょう。

当サイトを入門書として使う場合に次に読むべき記事⇒投資家は証券会社と証券取引所を通じて売買している


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