市場の発達と株式会社が大きくなる過程

大都会のビル群

株式市場という世界

さて投資の世界では、個人投資家と機関投資家、日本人と外国人、短期投資家と中長期投資家などさまざまな投資家がいます。これらが行き交う世界が株式市場です。

そもそも市場とは、多くの人間が商品を売買(交換)する領域を意味します。市場は、現物と現物の交換(物々交換)、次に現金と現物の交換など、その初期においては人間と人間が実際に対峙する形をとるものです。

インターネットは株式投資を効率化した

しかし時代と技術が進展すると、分野によっては人間と人間は実際に対峙せずに取引をします。株式の売買はその典型で、現代の株式投資家は電子画面を見ながら売買をすることが多いです。

投資家が株式を売買するときに利用する証券会社についても実際に店舗を構える対面型証券が縮小する一方でネット証券が伸びています。

また一昔前の日本では株主の証書として紙製の株券が交付されていましたが、現在ではすべて電子化されました。株券を電子化し、世界中の投資家には電子空間で売買をさせる方が効率的だからです。

市場の性質と株式会社が大きくなる過程

 

インターネットは良くも悪くも社会を効率化させるよ。
ネット通販はその典型だね。

現代の株式は昔の人から見たら信じられないほど盛んに取引されているでしょう。かつてリスク分散や配当重視の姿勢から始まった株式の体系はキャピタルゲイン重視に変わったのです。

プライマリーマーケットとセカンダリーマーケット

ここで重要なのは、投資家は市場を通じて株式を売買するといっても、株式市場には大きく分けて2種類あるということです。それがプライマリーマーケットとセカンダリーマーケットです。

プライマリーマーケットとは、株式会社が株式を新たに発行してそれを投資家に買ってもらうときの市場(=発行市場)です。

一方、セカンダリーマーケットとは、すでに発行されている上場株式を売買する市場(=流通市場)を意味します。ここでは株価が上がっても会社に入るお金は増えないのです。

もちろん会社や経営者が自社株を保有していれば、価格が上がった自社株を売って利益を得たり資金を調達することができますが、それ以外の株式については投資家間で取引される商品にすぎません。そうなると株式投資は投資家間のマネーゲームに見えるかもしれません。

市場の性質と株式会社が大きくなる過程

 

経済ニュースの多くはセカンダリーマーケットの情報だよ。

株式会社が大きくなる過程

しかし、株式投資には社会的な意義もあります。それは次のような過程をたどります。

まず会社が上場すると皆の目に触れやすくなります。会社を起こして上場にまでもっていくことはかなり難しいため上場はそれだけで宣伝効果があるのです。

そこから株式が買われれば出資者からの期待とプレッシャーが強まったも同然です。出資先の経営が悪化して株価が暴落したら株主は大損を被るため、投資家は投資先にプレッシャーをかけるからです。企業に大金を貸している金融機関も同じような立場です。

期待やプレッシャーを背負うと人間は頑張ろうとします。それは企業という人間・資本の集合体でも同じです。

上場や継続的な成長など頑張って結果を出した企業には金融機関からの評価も高まって融資をよい条件で得られます。株式会社は株式だけに資金調達を頼ることは難しいので金融機関との付き合いは重要なのです。

金融機関からのお墨付きが得られた企業に対しては他企業も信用できるので、融資で得られた大きな資金とともに新たな事業・提携ももち込まれやすくなります。

市場の性質と株式会社が大きくなる過程

 

PKSHAは新興企業だけど精鋭揃いらしく
すでに相当な出資と提携先を獲得しているよ。

その事業が大きく成功すれば収益や知名度も大きく向上して高水準の賃金や設備投資を支払えるようになります。高い知名度と収益を誇る企業には求職者が殺到しますから労働者の質向上も見込めます。企業としても抱える人員が多くなると、ブランドイメージを保ったり効率化を推進するために社内の管理体制を強化します。

また株価が上がるなどして成長している企業の株式は欲しがる人が多いため、新たに発行した株を高い価格で数多く買ってもらいやすくなります。株式会社の規模や信用力、知名度はこうした過程で上がりうるのです。

上場企業の長期的な戦略

本来、上場企業という形をとらなくても企業全般は自社の売上と利益の拡大をめざすものですが、上場企業という形をとると皆の目に多く触れるとともに投資しやすくなり成長が加速します。投資家は上場企業の成長促進を担っているわけです。

むろん、今は大成功を収めた株式会社でさえも苦しい時期はあったでしょう。ヒット商品を生み出したり商品が効率よく売れる仕組みをつくるのは大変な時間と労力がかかるものですし、ときには一度つくり上げた体制・方針を大きく変える必要もあるからです。

市場の性質と株式会社が大きくなる過程

 

経営を軌道にのせるのはとても大変だから
成功した創業者が尊敬されやすいのも当然だね。

そう考えると、起業時と上場時と新株発行時の株式による資金調達、そして経営が成熟してから高配当を出すという株式関連のお金のやり取りは長いスパンで見るべきものだといえます。

一方、社債と融資は長期型もあるものの、そこには金利と返済期限が立ちはだかり、一時的に借りてからすぐに返すということもできるため、比較的短期の資金調達と位置づけられやすいといわれています。

当サイトを入門書として使う場合に次に読むべき記事⇒株式”社会”で生き残るということ


トップへ戻る