織り込み済みという投資家が先走った末の現象

走るビジネスマン

株式投資で利益を得るには投資家がどういう行動をとりやすいかを知る必要があります。自分が買った株式の価値は他の投資家による売買に左右されるからです。

先走る投資家

基本的に投資家(とくに中長期の投資家)が儲けるためには投資先が儲からなければりません。企業が儲からなければ配当を出せませんし、さらなる成長資金を得られなくなるからです。

むろん儲かってる企業の方が経営の持続性や財務も基本的には向上します。多くの投資家から買われる銘柄(株価が上がる銘柄)というのは、そういう明るい将来が見込める銘柄です。

ではどのタイミングで株価は上がるでしょうか。企業が配当を出す直前、それとも好決算が明らかになってからでしょうか。

このあたりは例外もありますが、基本的には現在の株価が将来に向けてよい材料が生まれたと見えた時点が多いです。たとえば、ゲームソフトメーカーの株を買う場合を考えてみます。

ゲームソフトメーカーが大きな配当を出したり好決算を発表するには、当然ソフトが大きく売れなければなりません。

一般に企業が好決算や高配当を発表すると株価は上がりやすいのですが、それ以前に売れるソフトというのは、それが何のシリーズか、あるいは何のアニメと提携したかなど、ゲームソフトの内容を発表した段階でも多少なり予測できるものです。そこに現在の株価を上向かせるような要素が見えたら、その時点で上がるでしょう。

織り込み済みという投資家が先走った末の現象

 

人気のあるシリーズやアニメのゲームは
皆の期待のハードルも高いよ。

織り込み済みという現象

このゲーム会社の例においては、そのあとに新たな情報が出ても、よほどの好材料でない限り株価は上昇しないこともあります。

この場合、最初に情報が出たときに上昇した時点で株価は好材料を織り込んでしまっているからです。これがいわゆる「織り込み済み(=株価に反映済み)」という現象です。

織り込み済みという投資家が先走った末の現象

 

いろんな可能性があるから投資は難しい。

発売や決算に先駆けてソフトの発表時点で株価が上がるのだとしたら早めに(=まだ株価に織り込まれていない安い段階)仕込んでおこうという発想になりやすいのです。

また、すでに発売されているゲームソフトの売上が好調だと報道されている場合でも、決算前は株価が上がって決算という確定情報が出ると株価が急落する場合もあります。日々のランキングや報道によって好決算が出ることはある程度わかっていますから、決算では事前の期待を上回るサプライズがないと失望されるからです。

アク抜け

これは悪材料のときでも同じで、とくに短期の投資家は先走って逃げようとする傾向があります。たとえば、企業に不祥事が発覚すると将来が悲観されて株価は大きく下落します。

しかし、不祥事がいつまでも続出するケースは少ないので、そのうちリバウンド狙いの買いや空売りの買い戻しが入ることで下げ止まります。また不祥事を起こした会社の決算は大きく期待されていないのが普通なので、標準レベルの決算を出したとしても失望されにくいです。こういう場合、アク抜け(=悪材料が出尽くして株価が反転)になる場合もあるのです。

株価の動きから経済ニュースを読み解く

このように決算や配当よりももっと前の段階で投資家は企業が儲かるか否かを予測して動くため、株価は景気の先行指標になりやすいというわけです。

株式投資をやらない人としても、たとえば大企業の合併が発表されたときに市場からどう評価されているのかを知りたかったら株価を見るべきです。上がれば期待され、下がれば悲観視されているようなものです。株価は経済ニュースのバロメーターになっているというわけです。

ソシャゲ銘柄は難しいか

筆者が株式投資を始めた当初、投資家の多くは先走りすぎではないかと否定的に感じていたのですが、その先走った行動から株価は形成される以上、自分もそれなりに先走らないと儲けにくいと考えるようになりました。これは自身がどのような投資スタイルをとるかによっても変わってくる事情です。

ちなみに、近年のゲームソフトは発表時には大物タイトルとして話題を集めたはずなのに、いざ発売されてみると意外と売れなかったりする一方で、その逆パターンもあります。

織り込み済みという投資家が先走った末の現象

 

社内でさえも開発中は期待されていなかったのに
配信後は大ヒットしたというパターンもあるみたい。

またソシャゲ銘柄においては、ゲームの配信発表時や配信までは株価が上がったものの、配信した途端に下がるという現象も見られるので、流行り廃りが激しいゲーム業界における株価予想は難しいものがあります。

とくに企業の正式発表よりも早く出現した情報は本当かどうか疑わしいことも多いため注意が必要です。

一般に株や経済のことなら学生よりも社会人の方が詳しいですが、学生は特定のゲームに関してならプロのアナリストよりも詳しいということがあります。それゆえゲームに詳しい人は、ヒットしそうなゲームの情報をいち早くつかんで投資するというのもよいでしょう。

次に、織り込み済みとの関連で効率的市場仮説について見ていきましょう。用語は難しそうに見えますが、入門レベルではそんなに難しくありません。

当サイトを入門書として使う場合に次に読むべき記事⇒効率的市場仮説はどの程度正しいか


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