手数料だけではない証券会社の「公平な」選び方

丸の内の一流会社たち

証券会社を選ぶ際の比較基準は、ネット重視か店舗(営業マン)の対面重視か、そして手数料、情報力、分析ツール、IPO、比例配分、東証以外(地方市場、外国市場)への対応、取扱商品、発注方法、時間外取引の有無などがあります。

参考までに、2018年3月末時点でのネット証券業界における口座数上のシェアランキングは、1位SBI証券、2位楽天証券、3位マネックス証券、4位松井証券です。

ネットと店頭証券では手数料が異なる

まず気になるのが手数料でしょう。とくに売買回数の多い短期投資やスイングトレードの方は気にする必要があります。逆に売買回数の少ない長期投資の方は、明らかに手数料がに高い場合を除けば気にする必要はないかもしれません。

基本的にネット専業証券の手数料は安いです。また日興や野村といった総合証券(=店舗でもネットでも取引可)でもオンライントレードの方が安いです。ただし、ネット証券であっても電話によるコールセンター経由の売買手数料は高いです。

手数料だけではない証券会社の「公平な」選び方

 

マネックス証券の現物取引手数料は
パソコン発注とスマホ・ガラケー発注では少し違うよ。

実店舗では担当者が相談に乗ってくれたりアドバイスをくれたりするため手数料が高くなりますが、ネットではそういった費用を節約することができます。その手数料は以下のようになります。

オンライントレードにおける日本株の1注文あたりの現物取引手数料

(2018年11月現在・税抜き)
10万円以下 20万円以下 50万円以下 100万円以下 300万円以下
むさし証券 75円 95円 175円 320円 440円
ライブスター証券 80円 97円 180円 340円 600円
DMM株 80円 97円 180円 340円 600円
GMOクリック証券 88円 98円 241円 436円 834円
楽天証券 90円 105円 250円 487円 921円
SBI証券 90円 105円 250円 487円 921円
カブドットコム証券 90円 180円 250円 990円 2790円
岡三オンライン証券 99円 200円 350円 600円 1500円
マネックス証券 100円 180円 450円 成行1000円
指値1500円
約定金額の0.1%
SMBC日興証券 125円 180円 400円 800円 2100円
野村證券 139円 300円 477円 953円 2858円
内藤証券 167円 381円 381円 686円 1286円

※今後も手数料改定が予想されます。

※基本的に1注文あたりで考えると、むさし証券とライブスター証券とDMM株が優れています。他の証券会社との差は大きくないように見えますが、たとえば1回あたりの差額(他社との手数料の差)が100円だとすると、100回も繰り返すと1万円の差がつきます。ですから、売買回数が多い短期投資家は手数料の差に敏感になった方がよいでしょう。

※証券会社によっては5万円以下や30万円以下という括りでの手数料もあります。

※DMM株、SBI証券、楽天証券、マネックス証券ではポイント制が導入されています。そこでは手数料の1%ほどが還元されるという方式が多いので(会社によって条件は異なる)、それらの証券会社の手数料は実質的には表よりも1%ほど安いといえます。

※SBI証券のPTS取引では手数料が少しだけ安くなります。

手数料だけではない証券会社の「公平な」選び方

 

ネットが発達し手数料が自由化されたことは
個人投資家には大きなプラスになったね。

オンライントレードにおける日本株の現物取引の1日あたりの定額手数料

(2018年11月現在・税抜き)
10万円以下 20万円以下 50万円以下 100万円以下 300万円以下
ライブスター証券 400円 400円 400円 600円 1400円
SBI証券 0円 191円 429円 762円 1562円
楽天証券 0円 191円 429円 858円 3000円
GMOクリック証券 213円 213円 399円 797円 1538円
※松井証券 0円 300円 500円 1000円 3000円
マネックス証券 2500円 2500円 2500円 2500円 2500円
岡三オンライン証券 0円 0円 500円 800円 1800円

※証券会社によっては30万円以下や200万円以下という括りでの定額手数料もあります。

※定額プランでは20万円以下なら岡三証券が優れていますが、100万円以下や300万円以下ではライブスター証券やGMOクリック証券などもよいです。

※松井証券の現物取引の手数料は定額制のみです。

手数料だけではない証券会社の「公平な」選び方

 

証券会社によっては新規口座開設者は
一定期間だけ手数料が無料になるよ!

※手数料は証券会社を選ぶうえで重要な要素ですが、情報力やIPO、東証以外への対応度なども重要です。

情報力について

手数料の次に重視すべき点は人によって異なるでしょうが、ここでは情報力について見ていきます。

株式投資は情報をもとに売買しますから情報の充実度が重要なのです。証券会社のログイン先では株価に影響を及ぼす為替やその他金融商品の価格がリアルタイムで見られることは当たり前で、他にアナリストの意見や各種のニュース、日経情報、四季報などが充実した形で見られるかが重要です。

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四季報の影響力は未だ顕在!
口座開設者は無料で読めるネット証券もあるよ。

手数料は数値によって客観的に判別できますが、情報力の良し悪しは主観的なものにならざるを得ません。それを踏まえていただいたうえで述べると、ネット証券で割と評判がよいのは、楽天証券、マネックス証券、SBI証券、カブドットコム証券、GMOクリック証券です。ここでは口座さえ開設していれば、無料で充実した情報を得ることができます(中には有料情報もあり)。

総合証券や店頭証券にしても基本的には大手や財閥系列の証券会社の方が情報力は優れている傾向があります。

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有力な証券会社が市況レポートを出すと
それに沿って株価が動くこともあるよ。

分析・取引ツール

さて、分析・取引ツールも情報力と同じように抽象的な要素が絡むので優劣を下しにくいです。それでも述べると評判が良いのはマネックス証券、楽天証券、SBI証券、松井証券、岡三証券といわれています。

分析ツールの選択では、見やすさ、注文のしやすさ、諸機能の充実、カスタマイズの可能性などが重要です。高度なツールの場合、その使用は有料にしている証券会社もあります。

分析・取引ツールは短期投資においては重視されます。短期投資では最新の分析情報と素早い注文能力が必要だからです(中長期投資ではそこまで急ぐ必要はあまりありません)。この手のツールもたびたび改善されますので、もし要望があったら証券会社にいってみるとよいでしょう。

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ツールについてパソコン版とスマホ版では違いもあるよ。
高機能なのはやはりパソコン版だね。

IPOに強い証券会社

IPO(新規公開株)は利益が得られる確率の高い投資機会なのですが、証券会社によってIPOの年間取扱数は大きく異なります。

2017年から2018年でIPOの取扱数が多いのはSBI証券、SMBC日興証券、みずほ証券、野村證券、マネックス証券、大和証券です。ネット証券にしても総合証券にしてもIPOに関しては大手が強いです。

ただし、一般にネット専業証券のIPOは抽選が公平なのですが、店頭証券では上客重視の部分が大きくなるといわれています。したがって、上客扱いされるレベルの方は店頭証券を重視し、そうではない方はネット証券を重視すべきかもしれません。

それでもIPOの当選率は低いですから、IPO当選を重視するならとにかく数多く口座を開設しましょう。

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HEROZの公募価格は4500円で初値は約11倍の4万9000円!
IPOで一撃テンバガーとは羨ましいね。すぐに急落したけど。

投資信託が充実しているネット証券会社

投資信託に興味がないという場合はこの項目は飛ばしていただきたいと思います。投資信託が充実しているネット証券はSBI証券と楽天証券とマネックス証券とカブドットコム証券です。基本的には規模が大きい証券会社ほど充実しています。

地方の証券取引所や外国市場への対応度

東証の銘柄しか売買しないという場合はこの項目は飛ばしていただきたいと思います。

証券会社は基本的に東証(ジャスダックとマザーズも含む)にはすべて対応しているのですが、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所といった日本の地方市場、そして海外市場への対応はまちまちです。

証券会社が地方の証券取引所に対応していない場合、その証券取引所にしか上場していない銘柄を売買することはできません。あの有名なRIZAPは札証の銘柄です。

手数料だけではない証券会社の「公平な」選び方

 

地方の証券取引所からもたまに
お宝銘柄が出現するよ。

ネット証券でいうと、ライブスター証券と楽天証券とGMOクリック証券は地方の証券取引所に対応していない場合が多いです(2018年9月現在)。

また外国株については米国株と中国株に強いマネックス証券、米中だけでなく新興国株も扱うSBI証券、米国株と中国株に対応している楽天証券、中国株にめっぽう強い内藤証券という特徴があります。

手数料だけではない証券会社の「公平な」選び方

 

詳しくない国の株を買いたいのなら
個別株よりETFがいいかもね。

短期投資で資金が足りないときには連続注文が有効

連続注文とは、ある銘柄への売り注文が約定したらその資金を使って今度は別の銘柄を自動的に買うという注文です。つまり、売り注文が約定すれば投資余力が増えるので、それを使って別の銘柄を自動的に買うのです。

これは忙しくて資金が足りない中で短期投資をやりたいという方にはおすすめの注文方法です。この類の注文は楽天証券、マネックス証券、ライブスター証券、カブドットコム証券、松井証券などで可能です。

盲点になるのが値幅制限時の比例配分

株式投資をしていると「保有銘柄がストップ安になったがわずかに買い注文が出ているのでなるべく売りたい」「ストップ高になった銘柄にわずかに売り注文が出ているので買いたい」という事態に出くわします。こういった場合の売買は比例配分といって証券会社ごとに一定数が割り当てられます。

このとき、マイナーな証券会社の方が約定率が高い(競争率が低い)といわれています。ですから、値幅制限を上手く攻略したいのならマイナーなネット証券を利用するという手もありでしょう。

新興株や中小型株は値幅制限も珍しくありませんが、大型株はめったに値幅制限にならないという特徴があります。つまり、新興株や中小型株を売買する人ほど比例配分で有利な証券会社を選んでもよいわけです。
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比例配分はマイナーな証券会社の方が有利といっても
具体的にどれほど違うかは不明。

信用面で大手と中小に差はあるか

投資家は証券会社にそれなりのお金を入れて株式を保有するのですから、倒産しにくいと思われる大手の証券会社でないと怖いと考える人がいるかもしれません。しかし、日本の証券会社は法的義務として証券保管振替機構などを通じて分別保管(顧客の資産と証券会社の区別して保管)を行っています。

これは、銀行が顧客から預かったお金を企業などに貸し付けていることとは対照的です。そのため万一、証券会社が倒産した場合でも証券会社へ預けていたお金や有価証券は顧客に返還されます(銀行の場合は経営が危うくなると取り付け騒ぎが起きます)。この制度は大手も中小も同じように適用されます。

なお証券会社が破綻した際に顧客の資産が適切に返還されない場合(返還が難しい場合)、証券会社が義務的に加入している投資者保護基金によって1顧客あたり1000万円まで補償されます。

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銀行と証券会社では顧客のお金の扱い方が違うわけだ。

迷ったら複数の証券会社の口座を開設

証券会社は多様ですし、サービス内容はたびたび変更されます。平均的に優れている証券会社はありますが、すべてにおいてNo1の証券会社は存在しません。そこで証券会社を選ぶことに迷ったら、とりあえず複数の証券会社に口座を開設するという手があります。

身分証明書を用意したり書類を作成・送付する手間はかかりますが、口座を開設するだけなら料金はかからないことが多いですし、ネット証券なら口座維持も無料が多いです。

さらに口座の新規開設や一定額の入金・投資、家族・友人の紹介などを行うとキャッシュバックされることも珍しくありません。

ネット証券では営業攻勢があまりない

このとき証券会社に口座をたくさん開設すると営業の電話もたくさんかかってくるのではないかと心配される方も多いでしょう。しかし、ネット専業証券に限っていうとメールによる営業はあっても営業の電話は大してかかってきませんので、それを気にされる方にはネット専業証券をおすすめします。

手数料だけではない証券会社の「公平な」選び方

 

営業電話に積極的ではないネット専業証券でも
ものすごい上客なら電話がかかってくるのかな?。

※情報力、分析ツール、取扱商品、条件型自動注文、比例配分、営業戦略なども今後変化が予想されます。


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