投資家は会社内部だけでなく地合いや外部環境も見る必要がある

外部から内部へ

中長期の投資家は投資先のファンダをとても重視します。この場合のはファンダとは、業績、財務、社長情報など会社内部のものがすぐに思い浮かぶところでしょう。

しかし、投資家は会社の外部環境にも目を向けないと思うような収支をあげられないかもしれません。この外部環境に関して、まずは地合いから見ていきましょう。

良好な地合いと悪い地合い

地合いとは、相場全体の状態・心理・雰囲気のことをいいます。簡単にいうと、日経平均株価やマザーズ指数がよいときは地合いがよいといえます。

逆にそれらの指数が悪いときには地合いが悪いでしょう。要するに地合いがよいときは買い方の強気が充満している一方で、悪いときには買い方の弱気が蔓延しているのです。。

(株を買って上がったところの売りで利益を出そうとする勢力を買い方といいます。逆に空売り勢は売り方と呼ばれます。)

ただし、たとえば日経平均株価が300円以上も上がったらだれもが地合いはよいと判断するでしょうが、40円という微妙な上昇だと評価がわかれるでしょう。その意味では主観的に判断する余地も残されています。

地合いに応じた戦略

地合いが悪いときには株価が下がりやすいので保有銘柄や投資候補銘柄の四本値を低く見積もるとともに、ポジションを少なくしたりディフェンシブ銘柄(下がりにくい銘柄)に資金をまわして守りを固めることが基本です。

ディフェンシブ銘柄の典型は、配当利回りが高い銘柄とインフラ(鉄道・ガス・電力)関連銘柄です。こういう銘柄は下値が堅い傾向があります(上値も伸びにくかったりします)。

しかし、地合いが悪いにもかかわらず、もし大きな出来高とともに株価が安定的に上昇している銘柄を見つけたら、それは強い銘柄であるかもしれません。強い銘柄には何か強力な材料や思惑が作用していることが疑われますので、チェックしてみることをおすすめします。

悪い地合いの原因は何か

悪い地合いにはいくつかパターンがあります。まず挙げられるのが単純な調整局面です。一年を通じて数倍になる銘柄でも短期的には落ち込む時期があるように、株価は上下を繰り返すものです。そうなると株価がいくらか上がると、今度は下げのターンになるのです。

これは調整と呼ばれますが、仕手株を除けばそんなに心配すべきことではありません。日経平均株価が一年間で6000円も上がった2013年でさえ調整局面は何回かあったからです。

問題は国内政治の不安、国際政治の不安、天災、通貨危機、一国の経済を引っ張る(産業のすそ野が広い)超大企業の不振など、たとえ個別企業の業績がよくても、全体として、そして将来にわたってそれを阻害してくるような悪い要素があるときです。

これは個人投資家はもちろん、機関投資家でさえもどうしようもないことですので現実を直視して対策を考えるしかありません。

投資家は会社内部だけでなく地合いや外部環境も見る必要がある

 

超大企業は、日本ならトヨタ、アメリカならアップル、
韓国ならサムスン。中でも韓国のサムスン依存度はすごい。
あとアップルの部品は日本製もけっこう絡んでいる。

右派と左派の基本路線

とくに政治と株価について考える際にはまず右派と左派の特徴をおさえることが重要です。右派といえば日本では自民党、アメリカでは共和党、左派といえば日本では民進党と共産党で、アメリカでは民主党があげられます。

そもそも株式投資は明らかに資本主義と一体的な営みです。ということは、もし資本主義そのものに反対している左派政党が政権を担うとしたら株価は大きく下がるはずです。

資本主義に反対しているとまではいわないまでも、一般に左派は人権や平等性を重視して労働者の賃金を上げるべく、所得再分配や企業(とくに大企業)の負担増を主張します。それは企業収益を圧迫する公算が大きいといえます。

一方、右派政権は左派政権ほど企業に強く介入しません。それゆえ右派政権の失態・支持率低下や左派政権の勢力増大は株価下落につながりやすいのです。これは日本に限ったことではありません。

参考:右翼と左翼の大まかな違い(例外あり)
右翼 左翼
経済 ある程度自由競争に任せるべき 政府がかなり介入すべき
社会保障 あまりに手厚いのは逆によくない 手厚くすべき
軍事・外交 タカ派(=強硬派)・現実主義 ハト派(=協調派)・理想主義
改革のスピード 漸進的(=ゆっくり) 急進的
教育 管理的 放任主義
宗教 宗教熱心 宗教に懐疑的、あるいは放任的
人間の本質を善と見なすか悪と見なすか 悪 (人間は話し合ってもわかり合えないから、現実的には武器が必要) 善 (人間は話し合えばわかり合えるから、武器などいらない)
好きなモノ 道徳、秩序、治安、伝統、全体、国粋主義 理性、人権、平和、平等、個人、多様性
支持層が多いのは 田舎(人間の多様性が欠ける地域)では強い 都市部(人間の多様性が強い地域)で健闘しやすい
戦争と株価

また、一般に戦争は経済活動を大きく鈍らせます。その中心が産油国や経済大国だと国際的な影響力が大きいことは明らかです。平和な国が景気良好とは限りませんが、それでもある程度のびのびとした経済活動ができる環境は経済成長にとって重要です。

しかし、戦争が軍需を増やすことも事実です。実際、歴代の大きな戦争とその間の各国の株価を調べてみると、当時と今では経済発展の成熟度や人々の情報力がまるで異なるので参考程度のものになりますが、株価はさほど下がっていません。

投資家は会社内部だけでなく地合いや外部環境も見る必要がある

 

国際情勢が悪化すると軍需に恩恵はあっても市場全体は軟調になりやすい。
そして軍事費は最近の米国でもGDP比3.5%くらい。
つまり、意外と軍需産業の地位は大きくないということ。

金融立国は攻撃されにくい

さらにアメリカやイギリス、スイス(国民皆兵)といった先進国は、強い軍事力をもっていると同時に金融立国でもありますから、他国から攻撃されにくいという特徴があります。

大量のお金を預けられたり出資されている国が攻撃されたら大口の資産は台無しになってしまいますから、金融立国という地位は安全保障の一つになるのです。そんなところを攻撃するのは宗教上の強い信念をもったテロリストくらいのものです。

企業の業績が内的な数値だとすれば、為替や金利は外的な数値として株価に影響を及ぼします。次はこの為替や金利について見ていきましょう。

当サイトを入門書として使う場合に次に読むべき記事⇒株式投資家にとっての為替と金利の基本


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