株式投資家にとっての為替と金利の基本

シーソー

為替の意味

株式投資で市場全体に関わってくる外的な数値といえば為替です。

そもそも現金をわざわざ輸送せずに決済することが為替の本来の意味です。たとえば東京の人が京都の人から品物を買う場合、支払いを業者に立て替えてもらえば現金を送らないで済みます。その後、買った人は立て替えてもらった業者に手数料とともにお金を支払えばよいわけです。

しかし現代では、異なる通貨と通貨を交換することが為替のおもな意味になっています。ここでは遠隔地の人同士の通貨交換が膨大な規模で行われています。

外国為替は投資だけでなく世界中の海外旅行や企業の売買業務などでも使われるため、株式投資よりも1日の取引総額が遥かに多いです。

とくに米国ドル、ユーロ、日本円、英国ポンドなどは信用が厚く取引が盛んです。そのため、それらの通貨とは別に自国通貨をもっている国でも、海外の会社と取引するときには米国ドルを使うほど需要があります。

円高と円安

為替レートも例によって需要と供給で決まります。ドルと円の関係においてはドルの需要が高ければ(ドルが多く買われれば)円安ドル高、円の需要が高ければ(円が多く買われれば)円高ドル安です。

そのレートは企業や旅行者にとって切実です。たとえば、為替レートが1ドル110円の場合、110円を出せば1ドルが手に入り、それで1ドルの商品を買えます(手数料や税金は考慮しません)。

それが1ドル100円になると以前の10円が不要になります。これは相対的に円高(円の価値が高くなった)が進んだことを意味します。つまり、外国から商品を買う(輸入する)企業にとっては前に比べて10円をわたさずして外国商品が手に入るので円高の方が儲かるわけです。円安の場合はその逆で輸出企業に有利となります。

為替が動く要因は

次に気になるのが、どういうときに円の需要が上がるか、あるいは円の需要が下がるかということでしょう。これにはさまざまな要因があります。まず大きいのは金利です。

たとえば、円で預金したときには0.1%の金利がつき、ドルで預金したときには0.2%の金利がつくとすれば、ドルの需要が高まるわけです。

また一般に人間は資産を安全な形でもちたがるので、日本の政治経済がドル圏のそれよりも安定していたら円をもちたがる人が増えるでしょう。

ただし、日本社会にとって重大な危機となった東日本大震災後には急激な円高になったように、為替レートの動きもそう単純ではありません。

長期の投資家は目まぐるしく変わる為替を気にする必要はあまりありませんが、短期の方はそれなりに気にする必要があります。

円安・円高の基準は曖昧

2018年現在、筆者としては110円以下だと円高感が強く、112円以上だと円安感が強いように思いますが、その基準は時代によって変わる相対的で曖昧なものです。

たとえば、「数か月前よりも2円だけ円高が進んだこともあってか輸出企業の株価が下がった」などというように少し前の水準と比べると、その時代の妥当な水準が見えてくるかと思います。

一般に日本経済全体ではやや円安の方が景気や株価にとって好都合だといわれています。日本の主力産業である大手製造業の影響が連鎖するからです。

なお輸出系企業の中には想定為替レートをあらかじめ設定して、それに基づき自社の業績予想を公開している場合があります。ですので、一度チェックすることをおすすめします。控えめな想定為替レートなら、いずれ決算で上方修正される期待が高まります。

また為替については円高が株価上昇につながる輸入企業もあったり、日本だけでなく諸外国に生産拠点を複数もっている製造業もありますので、投資先と為替レートの関係は個人的に調べてみることをおすすめします。

好況時と不況時で変わる金利

次に金利について大まかに見ていきましょう。一般論としては次のとおりです。

金利が上がると、企業経営においては借金の支払い利息が増えます。また新たな借金がしにくくなるため、企業は事業を縮小します。こうして事業や収益が縮小されると、株価も下落しやすいというわけです。

また投資家においては、株式よりリスクが低く、金利が上がった預金に資産をまわします。つまり、金利が低いと貯金する人が減り、金利が高いと貯金する人が増えるのです。こうして株式市場にまわる資金が減ると、株価も下がりやすいということです。

ただし、金利が上がる時期は基本的に好景気のときです。好景気のときは企業も個人も経済活動を積極的に行いますから、その資金需要の高まりとともに金利が上がるのです。中央銀行が市中銀行に融資する際の金利も、好景気のときには高く設定されるのが普通です。

景気は過熱したときの反動がこわいですから、中央銀行は高い金利で好景気の過熱感をおさえようとするのです。

逆に不景気のときには金利を下げて経済を活性化しようとするわけです。

次は入門書として読んでいただいている場合は最後のページになります。他のページに比べると難しいですが役立つと思います。

当サイトを入門書として使う場合に次に読むべき記事(章が変わります)⇒応用力のある株式投資へ


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