初心者にもわかりやすい株式投資の概要

上場企業の社長

企業にとっての株式

あらゆる企業は営利を求めていつも動きまわります。こうした企業活動には土地代、設備、人件費など何かとお金がかかるものです。ここで企業としては融資(借金)社債以外にも出資という方法で資金を調達する方法もあります。

初心者にもわかりやすい株式投資の概要

 

営利を自由に求める体制を資本主義というんだ。
先進国はすべて資本主義国だよ。

出資とは、資金を出すという意味です。出資の中で最たるものが株式です。企業は資金を投資家から提供してもらった代わりに株式という証書を発行し、そのお金で事業を営みます。これが株式会社です(借金を併用している場合も多い)。

ちなみに社債とは会社が発行する債券を意味します。債券とは資金を投資家から借りた際に発行する証書です。お金を借りた人や社債の発行者は、期限までに金利とともに借りたお金を返さなければなりません。契約を守る、とくに借りたものを返すことは社会人としては当たり前の法的義務です。

初心者にもわかりやすい株式投資の概要

 

無借金の企業は単純によいとは限らない。
大きな借入は信用がなければできないし
返済実績があると借入が必要になったときに審査が通りやすい。

投資家にとっての株式

ここで重要なのは出資には返済義務と元本保証がないということです。出資には返済義務と元本保証がないとすると特別な事情がなければだれも出資しないでしょう。

そこで株式会社は、事業が儲かったときに利益から一定割合のお金を株主にわたして投資家をひきつけます。このときのお金を配当金といいます。つまり投資家は、株式会社への出資には元本保証がないとしても、配当金がもらえるなら投資してみようと考えるわけです。

出資を取り巻く責務

株主は株式会社が成長することを期待して出資しますから、株式会社には利益を追求する責務があります。

したがって、株式会社が頑張って行動した結果として利益を得られなかったことは法的に許されるとしても、関係者が自社の利益に反する行為をわざとやった場合には法的なレベルで許されません。これは株主に対する背任(≒裏切り)にあたるからです。

初心者にもわかりやすい株式投資の概要

 

株式会社は株主(=株式会社の所有者)のためにも
利益を求めて動き続けなければならない!

なお出資者たる株主の責任範囲は有限責任として出資額の範囲に止まります。これは簡単にいうと、出資している会社が倒産した場合の損失は出資額の範囲に限られるということです。

株式投資では100万円を投じていたら最悪でも100万がなくなるところまでしか負けられないのです(完全なゼロはめったにない)。よく株式投資が最悪でも元本がなくなるところまでしか負けられないといわれるのは、そのためです(信用取引は例外)。

株主のおもな権利
  • 株主総会での議決権と提案権
  • 配当を受け取る権利
  • 会社が解散するときに会社に残った資産を受け取る権利
※株主総会とは、会社の規則や方針の変更、重役の選任といった意思決定(株主の多数決)を行う機関です。
※以上の権利は基本的に持ち株数に比例しますので、株式は株式会社の権利を細分化したものだといえます。

株式の保有中にもらえるインカムゲイン

さらに株式会社に投資していると、会社によっては配当に加えて食品や割引券といった自社ゆかりの株主優待品がもらえます。配当金や株主優待品のように金融資産を保有している中で得られる収益をインカムゲインといいます。

ちなみに株主優待は日本では盛んですが、諸外国ではかなり少ないです。この理由として考えられるのは、お歳暮やお中元に見られるように日本企業は世話になった人をもてなしたがるとか、企業ゆかりの商品を送ることで個人投資家を株主兼自社商品の消費者としてその企業に定着させたがっていることがあげられます。

株主優待は、同じ保有株数でも保有年数が長いと優待品を一段上にする企業が一部にあることから考えると、顧客包囲としての意味合いが強いのかもしれません。日本の小売業がポイントカードの類を積極的に導入しているのも顧客包囲を強く意識しているからでしょう。

初心者にもわかりやすい株式投資の概要

 

日本企業は従業員に自社株や自社商品を
買ってもらう体制が整っている場合が多いよ。
つまり、従業員も自社商品の消費者だ。

上場は企業と投資家の欲求にもとづく

ここで重要なのは、株式会社が上場していると、その株式はだれもがほぼ自由に売買できるということです。上場とは証券取引所が株式を公開売買(=皆で自由に売買)の対象にすることです。早い話、会社が上場すると株式は未上場のときよりも活発に売買されるのです。

株式が活発に売買されて自社の株価が上がれば、大株主である創業者の資産価値は膨れ上がります。それと同時に会社の知名度も上がるので、よい人材が集まったり大きな提携が結ばれるなどビジネスも展開しやすくなります。

投資家は魅力的な(利益の出る)株式を欲しがり、株式会社は自社の株価や知名度を上げたがりますから、お互いにとってプラスとなりうる上場という発想が出てくるのです。

上場のデメリット
  1. コスト増
  2. ⇒上場企業には株主や社内の管理コスト、そして年間上場料の支払いが求められます
  3. 株主対応
  4. ⇒上場すると株主が増えていろいろいわれるので対応しなければなりません
  5. 情報開示
  6. ⇒上場企業には有価証券報告書や決算の提出・開示が義務付けられており、その作成や監査にはコストがかかります
  7. 株主対応
  8. ⇒株主は四半期決算(3か月ごと)のたびに利益を上げるように求めてくるので上場企業は長期的な視点に立った経営がしにくくなります
  9. 買収リスク
  10. ⇒株式を自由に売買できるので特定勢力に買い占められる可能性がある
そのため上場の条件を満たしているのに上場しない会社もあります

価格が動けばキャピタルゲインができる

上場株は自由に売買される過程で価格が動きます。マグロの競りやヤフオクの入札でも魅力的な商品の価格はどんどん上がっていくでしょう。あれと同じような現象が株式の売買でも起きるのです。

しかし、ヤフオクの商品価格は出品者が下げない限り現状維持か上昇ですが、上場株の価格は下落もあります。そうなると、株式を安いときに買って高いときに売るという発想が自然に出てくるでしょう。このような売買差益をキャピタルゲインといいます。

初心者にもわかりやすい株式投資の概要

 

現代では売買の手数料と手間が下がったので
買ってから売るまでの間隔がかなり短い人もいるよ。

たとえば1株1000円の銘柄を100株、つまり10万円分買って(株式の売買は100株単位が基本)、それが1200円に値上がりしたときに売れば100株の価値は12万円なので約2万円が利益となります。(「約」とつけたのは株式の売買には手数料がかかり、さらに投資から得られた利益には税金がかかるからです。)このときの売りは利益確定売り(略して「利確」)と呼ばれます。

株価は刻々と変わるもの

当たり前ですが、1200円で約定(=売買成立)したから2万円の売買差益が確定するのであって、売らなければいずれ株価・評価額は上下します。逆にそれを900円で売ると1万円の損失が確定します。こちらは損切り(=ロスカット)と呼ばれます。

日本の投資家の中にはキャピタルゲインを繰り返して100万円くらいの資金から億単位の資産を築いた人もいるほどです。

運ですべてが決まる宝くじとは比較しにくいですが、億万長者への道は宝くじよりも株式投資の方がまだ近い(現実的)と思います。

それゆえ、現代の株主は企業に配当の増額よりも株価の上昇につながる経営を訴える傾向にあります。

株式投資は勉強が不可欠

キャピタルゲインによって資産を数百倍にも増やせるということは、裏を返せば上場株は値動きが大きい金融商品だといえます。つまり、投資家にとって株式の保有・売買は損失も利益も大きなものになりやすいのです。

たとえば、100万円分の株式を買って保有し続けているときに1年間に配当金が3万円をもらえるとすると配当利回りは3%です。

しかし、その会社の業績が悪化して株価が暴落すると株式の売却時には大損になりますし、配当金の額自体も下げられるでしょう。そこで損失をおさえてなるべく利益の方を大きくするためには適切な勉強や情報収集が必要だというわけです。

 

投資の勉強はいつも変わらない原理や用語の勉強を覚える一方で
刻々と変わる為替や企業経営に関する情報も知る必要があるよ。

次は投資と投資家の性質についてもう少し掘り下げます。

当サイトを入門書として使う場合に次に読むべき記事⇒投資の特徴と自己責任


トップへ戻る