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短期とスイングと長期のどれをとるかで投資スタイルは大きく変わる

短いトンネルを抜ける長い列車 資産形成

投資期間の選択は超重要

株式投資をするうえで投資期間を自分なりに決めることはとても重要です。

投資期間とは、買ってからそれを売るまでにどの程度の期間をおくかということです。

具体的には、短期(スキャとデイ)、スイング、中長期があります。中期と長期は似たようなものです。

投資期間をどれにするかによって必要な勉強や収支も大きく変わるほどです。

自分はとにかく儲かる投資法が知りたいな。
その気持ちはよくわかる。でも、効率よく儲かる投資法は基本的には難易度も高い傾向があるんだ。理論上は儲かるとしても自分にできなかったら意味がないよね?だから、利益と難易度と自分の状態を天秤にかけていろいろ試してみた方がいいよ。
経験を積み重ねると自分に最適な投資法がわかるってことね。そういえば自分が働いている会社でも、いろんな部署を経験すると自分に最適な部署がわかったりするね。

短期投資の概要

さて、まずは短期投資についてです。

短期投資の代表格であるデイトレード(通称:デイ、デイトレ)では株式を買ったらその日以内に売ることを基本とします。もちろん空売りも多用します。

短期投資にはもう一つスキャルピング(通称:スキャ)という手法もあります。これは数十秒から数分など1日の中でデイトレよりももっと短い間隔で売買を完了していく手法です。

簡単なイメージとしてはテクニカル分析をもとにしながら株価が少し動くたびに利確と損切りを繰り返していく感じです。

もちろん、株価の動きは複雑なので判断を見誤ることは多くあります。しかし、達人が数多く売買すれば最終的には利益が損失を上回るという形です。

このデイトレとスキャという短期投資ではファンダはあまり考慮されず、さらに保有を通じて企業の成長を応援するという感覚に欠けます。

そのため短期投資は株式投資の中でも否定的に見られがちですが、株式市場には短期で激しく売買注文を出して出来高を増やしている人もいるからこそ、中長期の投資家も好きなときに売買できるといえます。

スキャルピングは株式投資の中でも特殊で難しい分野です。スキャルピングの成功者の話を聞くと普通の人が同じ手法を再現できるとは思えないからです。

スキャルピングは分刻み・秒刻みでトレードするなど理屈だけでなく感覚にも依存するため難しいのです。しかし、スキャルピングができなくても、株式投資には他にデイ・スイング・中長期もありますから悲観する必要はないでしょう。

スイングトレードの概要

次にスイングトレード(通称:スイング)です。スイングは投資期間が数日から数週間にわたる手法です。

これは短期投資と中長期投資の中間を行くような手法です。筆者がメインにしているのはこれです。

細かいところはあとで述べます。

中長期投資の概要

次に長期投資は投資期間が数年以上に及ぶものです。中期投資はスイングと長期投資の間くらいの投資期間です。中期投資の期間について厳密な定義はありません。

中長期の投資家はファンダをよく調べたうえで買う銘柄を決め、その企業の事業や株価に関して中長期的なリスクを背負い、成長を応援しながら株価を見届けます。

このように中長期投資は買ったら放置が基本なので買う際には熟慮が求められますが、放置している間は楽なものです。

短期投資のイメージ

短期のチャート

さて、上の画像をご覧ください。これは縦軸が株価で、横軸は1日の取引時間(9時から15時まで)を大まかに表しています。

数ある銘柄の中でも値動きが激しい銘柄をモデルにした値動きです。短期投資ではこれから上がりそう局面では買い、下がりそうな局面では売っていきます。

基本的に短期投資ではボラティリティ(=値動きの激しさ)と出来高が大きいものが好まれます。値動きが大きくなければ収益の値幅も稼げないからです。

さらに現値ですぐに売買するためには出来高が多くなければなりません。

1年で2倍になった銘柄と中長期投資のイメージ

中長期のチャート

次に中長期について見ていきましょう。上の画像は1年間で株価が約2倍になった銘柄の大まかな値動きです。

途中、やや大きく落ち込んでいる調整局面もありますが、業績がよいためか1年を通じてみると上昇傾向にあることがわかるかと思います。

これなら短期投資よりはまだ株価の見通しが立ちそうと考えた人も多いのではないでしょうか。一般的に株価は短期の波は激しく見える一方で、中長期の波はそれよりも滑らかに見えるのです。

※長期投資では時代の一歩先を読むことが重要

  • 1980年代後半から1991年までのバブル景気(株価↑↑)
  • バブル崩壊後~(株価↓→)
  • 20世紀末のITバブル(IT銘柄の株価は↑↑)
  • 2006年のライブドアショック(株価↓)
  • 2008年のリーマンショック(株価↓↓)
  • 2011年の東日本大震災(株価↓)
  • 2012年~の安倍政権およびアベノミクス(株価↑↑)
  • 2020年のオリンピック前(株価?)

上の一覧から理解していただきたいのは株価は短期ではもちろん、数年単位でも波があるということです。(↓の波は日経平均株価の上下のイメージで、一つの山を上って下るのに数年くらいかかるとお考え下さい。)

長期の景気の波
そうなると長期で投資する場合、買うのが好景気のときだと、そのときがピークになってあとは下がり続けていくという場合があります。逆に不景気だとそのときが底値の可能性が高いです。

好景気の株高時はテレビという大衆メディアでも投資特集が組まれやすく、また給料も多いため、好景気のときに株式投資を始める方は多いです。しかし、それが長期投資だと含み損(塩漬け)一直線になる場合があります。長期の個人投資家が損するのはこのパターンが多いはずです。長期投資では時代の一歩先を読むことが重要です。

アベノミクス直前の日経平均株価は9000円で、2019年3月は21000円ほど。つまり、アベノミクス開始付近で買って長期保有している人のほとんどは勝っているはず。

ただし、その数年単位の上下の波をいくつも包み込む超長期(10年以上)で運用するとまた話は変わってきます。そこまで長いと景気の波だけでなく「インターネットの登場によって業界は激変した」というような全体の技術事情にも左右されるでしょう。

上手な人ほど短期投資の方が稼げるが

短期投資と中長期投資の中間路線であるスイングトレードの基本的な発想は、そういった調整局面は保有しないでおいしいところだけをもっていこうとすることです。

当たり前ですが、そこに投資している最中は株価が最終的に2倍になるかはわかりませんから、適当な値幅をとったり、まずい要素が出てきたら一旦逃げる(=売る)という行為に出るわけです。

それをもっと細かく動かすのがデイとスキャです。株式を細かく、そして上手に動かすことができれば、株価の上昇局面はもちろん、空売りを使って下落局面でも勝てるのです。

上昇局面でも下落局面でも勝つことができれば、理論上は短期投資がもっとも稼げます。

しかし、短期投資を下手にやると、買いで入ったら株価が下がって空売りしたら株価が上がって、さらに手数料も多くかかるというように踏んだり蹴ったりの状態になります。これは俗に往復ビンタと呼ばれます。

このように短期投資やスイングは逐一下落する時期を見抜いて運用するのが難しかったり面倒だったりします。

短期投資はボラティリティ(株価の上下)が大きい銘柄を相手にするのが基本。普通の人は投資している銘柄の株価が大きく上下すると動揺するものだけど、達人は動揺を上手く利用する。揺さぶられたときでも上手く行動できる自信がある人には短期投資がおすすめ。難しいけど。

それらに対して中長期投資は最初の銘柄選びをきちんとやって、あとは放置するというのが基本線です。中長期投資は最初の銘柄選びに成功さえすれば、あとは楽なのです。

今後の成長が期待できる株式を買って、配当をもらいながら株価の上昇を待つという手法は中長期投資の王道です。

参考:投資期間によって重視する要素は違う

中長期の投資家 短期の投資家
個別銘柄の業績・財務など かなり重視する 決算前後で株価が大きく揺れ動くとき以外はあまり考慮しない
個別銘柄の将来性や社長 かなり重視する あまり考慮しない
為替・信用残・先物価格など いつも小刻みに動くので中長期レベルでは考慮するのがナンセンス 重視する
出来高とボラティリティ あまり考慮しない かなり重視する
テクニカル 売買のタイミングでは考慮されるが保有期間中はあまり考慮されない かなり重視する
板読み※ いつも小刻みに動くので中長期レベルでは考慮するのがナンセンス 重視する
政治ニュース 影響が中長期に及びそうなら考慮する 重視する
個別銘柄の材料
(新製品、提携、不祥事など)
影響が中長期に及びそうなら考慮する 短期で株価を大きく動かすようであれば参戦する

※株式の短期の売買情報を板情報といいます。短期の投資家はこの情報から株式の需給を読み取って売買します。これが板読みです。板情報はたびたび動くので板読みは簡単ではありません。

それぞれの投資期間のメリットとデメリット

ここで短期投資と長期投資について整理するために両者のメリットとデメリットを示していきます。スイングトレードはそれらの中間路線という感じです。

短期投資のメリット

  • 取引時間外に悪材料が発生したときに影響を受けない※1
  • ハズレても切り替えてすぐ次に行けばよい(株が塩漬けになりにくい)
  • ファンダ関連の勉強や情報収集はあまりいらない
  • 技量があれば中長期投資よりも利益の出る速度は上
  • おそらくここ10数年で日本株で成り上がった人は短期投資やスイングが多いので株式投資で資産形成という夢に現実感がある

短期投資のデメリット

  • テクニカル分析をもとに投資銘柄をちょこまか動かすのは難しい

⇒アメリカのバフェット氏は米国株の長期投資の大成功者ですが、彼が日本株のスキャでも大成功できたかといえばおそらく難しいでしょう。

  • 時間に制約のある兼業では難しい(不可能ではない)
  • 売買回数が多いので手数料も多くかかる
  • 本格的にやるのなら複数のディスプレイとハイスペックパソコンが必要

長期投資のメリット

  • 放置しっぱなしにするので忙しい人にもできる
  • 放置している間は勉強や情報収集の手間が省ける
  • 売買回数が少ないので手数料が安く済む
  • 操作はスマホやロースペックパソコンでも問題ない
  • 長期投資は好きな会社を長く応援して大きな果実を得たい場合に適している
  • 配当や優待が出る銘柄をもっていれば、配当や優待をもらう期間が長いほど元本割れラインは下がる
    ⇒100株10万円の銘柄の利回りが5%だとすると、年間に5000円もらえるので元本割れラインは1年目では9万5000円、2年目では9万円。もちろん配当や株価が維持された場合の話。
  • 投資の神様と呼ばれるアメリカのバフェット氏が長期投資派なので長期投資には投資の王道感がある

長期投資のデメリット

  • 買ったら長期放置が基本なので買う際には熟慮と覚悟が求められる
  • 買った銘柄を信じて待ち続けても期待通りのパフォーマンスを示すとは限らない(知らぬ間に大きな悪材料が出てそのまま塩漬けになる場合あり
  • 地合いがよくない年に増やすのは難しいかもしれない

※1.たとえば、あなたは本日の終値が1000円の株式をもっているとします。そして、この銘柄に引け後(取引終了後)に悪材料が発覚すると多くの投資家はすぐにでも売りたがるので、翌営業日の始値は1000円よりもかなり下に離れた位置になるのが普通です。

このように始値が前日終値よりも安いことをギャップダウンといいます。対義語はギャップアップです。もし翌日は900円から始まるのだとしたら、前日で手放しておいた方がよかったわけです。

逆にその銘柄に引け後に好材料が発覚すると多くの投資家が買いたがるので、翌営業日はギャップアップするでしょう。

この場合は前日から保有を持ち越していた方が有利なわけです。つまり、連続的に地合い(=市場全体の状態・雰囲気)が悪いときはポジションを翌日に持ち越さない方が有利で、それがよいときにはポジションを持ち越した有利なのです。

筆者の意見

参考までに筆者はスイングを主体にしています。

そもそも人間にはあらゆる面で適性や好みというものがあります。それが今一つわからなかった時期の筆者は短期投資とスイングと中長期投資いずれも試したことがあり、その中で自分に合っていると感じたのがスイングだからです。

さらにスイングを好むのには論理的な理由もあります。たとえば、2013年のように日経平均株価が約6000円も上昇した年なら中長期投資は悪くないです。

この年は株価の面ではものすごい当たり年だったといえます。下手に動かすよりも手堅いところに入れ続けておけば初心者でも成功の可能性は高かったはずです。

しかし、2018年(10月末までの段階)の日経平均株価は上がったり下がったりで、結局のところ年初から大して変わっていません。

中には大きく伸びている銘柄もありますが、そうではない銘柄も多くありますので中長期投資は難しいです。

アメリカや右肩上がりの成長を続けている新興国市場では長期投資こそが王道かもしれませんが、現代の日本株では長期投資が王道と言い切れないのが現状です。

短期投資と長期投資は明らかに違うけどその中間のスイングはどちらの要素も込められている。

かといって短期投資は他の業務がある筆者にとっては難しいです。また短期投資はテクニカル分析が主体といっても、それでも安定した実績を残すには感覚的な才能も必要です。数多く売買をこなして損小利大にするというのは思ったよりも難しいです。

さらに日本株には値幅制限があり、一日の最大増減率は約25%におさえられています。

ということは、短期投資にこだわっているとストップ高が連続しない限り利益を大きく増やせるテンバガー(株価10倍銘柄)をとることができません。

それではテンバガーをとる投資にこだわるべきかといえば、そうとも言い切れません。

テンバガーの出現率はとても低く、またそれは一直線で10倍になるとは限らず途中で長く停滞するパターンが多くあるからです。これはこれで難しい投資になります。

そこで中長期と短期の中間路線であるスイングトレードを好むというわけです。

日本で有名な投資家のcis氏はかつて長期投資だったらしいけど、途中からデイ・スイング主体に切り替えて大成功したらしい
投資家の選択肢

投資期間の概要がわかってきたところで、次に下の「さまざまな投資家の選択肢」という表をご覧いただきながら投資家の選択肢の相性を見ていきましょう。

さまざまな投資家の選択肢(いかに組み合わせるべきか)

投資家の選択肢
本業 専業 兼業
投資期間 スキャ デイ スイング 中期 長期
おもな取引手法 現物取引 信用取引
元手 多い 少ない
主戦銘柄 グロース株 バリュー株
※1投資の密度 集中投資 分散投資
目標 キャピタルゲイン中心の成り上がり インカムゲイン中心の堅実な儲け
銘柄選び テクニカル ファンダ 特定材料

※1.投資の密度については気になる方は下の記事「集中投資か分散投資か」を参考にしてください。

上の表から言える投資家の選択肢について相性がよい組み合わせ(あくまで「相性」程度のもので絶対ではない)

  • スキャ・デイとテクニカル
  • 中期・長期とファンダ

⇒株価は中長期的に見るとファンダに収束しやすいといわれます。ですから、中長期投資ではファンダのよしあしが重要なのです。

一方、短期では株価はファンダに収束しにくいためテクニカルを中心に投資判断します。

  • 専業とスキャ・デイ
  • 兼業と中期・長期

⇒専業投資家は取引に集中できます。また彼らは売買回数を多くして大きな収益を稼ぎたがる傾向があります。

逆に中長期の投資家は売買回数が少ないので兼業でもやりやすいです。スイングはそれらの中間路線といったところです。

  • スキャ・デイと信用取引

⇒短期投資では空売りと回転売買(高頻度で売買)がほぼ必須なので信用取引も必須です。また信用取引は失敗時の大損が怖いわけですが、短期で頻繁に売買していれば逃げ足も速いでしょう。

  • 特定材料とスイング

⇒画期的な商品の発表、決算前後の乱高下、有力企業との提携など企業から発表される特定材料を待ち構えて儲けるにはスイングくらいの期間が妥当でしょう。

  • 少ない元手とグロース株と集中投資とキャピタルゲイン中心の成り上がり
  • 多い元手とバリュー株と分散投資とインカムゲイン中心の堅実な儲け

⇒たとえば投資における10%の損失は投資金額が100万円のときよりも1000万円のときの方が痛いものです。前者の損失は10万円ですが、後者は100万円にもなるからです。

資金が少ない段階の損失の方が痛くないということは、その段階の方がリスクの高い投資に向いているともいえます。

そのため、少ない元手を使って早く成り上がりたければリスクの高い新興株に集中投資するという選択肢もありでしょう。信用取引も上手く使えればより効果的です。

大体、資産が100億円の投資家が資産を100倍に増やすよりも、資産が100万円の投資家が資産を100倍に増やす方がまだ現実的です。

資産家はその時点で大きな資産をもっているのですから、新興株で無理に高いリスクをとるよりもバリュー株や高配当銘柄への分散投資で堅実な利益を狙う方がよいでしょう。

一般論としては年齢は若い方が大きなリスクをとりやすい。若い人は元手が小さいし、大損したとしてもこれからの賃金で十分に挽回できるからね。逆に年金暮らしの人が老後の資金をリスクの高い銘柄に集中投資して大きく溶かしてしまうのはマズイ。
高配当銘柄の利回りは最大で6%ほどだけど、キャピタルゲインによる資産増加率は上手な人だと1年間に数百%にもなる。リスクのバランスは自分の状態や目標に合わせるべきかな。

次章からはファンダメンタルズについてもっと深めていきましょう。

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